疫病恐怖や洗浄強迫とは病気・感染症を異常に恐れる

排泄物や血液から感染し、慢性的な
経過をたどる病気が恐怖の対象に・・・

 

疫病恐怖、洗浄強迫は『心気症』と
似ているようでかなり違うところがあります。

 

心気症の人の恐怖は『何か悪い病気かも
しれない』という漠然としたものです。

 

一方、疫病恐怖の人は糞便からうつる赤痢や
寄生虫による感染症や性行為で感染する
エイズや梅毒、肝炎など、昔から世間一般に
知られ、慢性的な経過をたどり『病気もち』としての
重荷を背負いながら、生きながらえる病気が
恐怖の対象になります。

 

がん、高血圧、糖尿病などの生活習慣病や
長寿の結果生じた病気などは恐怖の対象に
ならないのが一般的な症状です。

 

誰もが知っている大腸菌や新型インフルエンザ、
クラミジア感染症などを対象にしたOCD患者は、
あまり見かけません。

 

大腸菌や新型インフルエンザは流行り病で
流行りが終われば忘れる事が出来ますし、
乾癬したとしても進行も早く重篤な場合は
亡くなってしまいます。

 

強迫観念としては長く患って生き長らえる
病気の方が怖いのです。

不潔恐怖と洗浄恐怖同様の強迫行為

疫病恐怖、洗浄強迫の人の強迫スイッチ
(トリガー)は、血液、排泄物、汗、唾液、
目に見えないウイルス、複数の人が使用する
食器類などいろいろです。

 

特に血液は最大の恐怖の対象である事が
多くばんそうこうに付着した少量の血液や
女性の場合、公衆トイレの汚物入れなど
すべてを恐れます。

 

ケチャップなどがついた赤いシミも避ける事が
多く人の汗に触れた、息がかかった、公衆トイレで
水がはねたなどちょっとした出来事から
『感染したのではないか?』という
強迫観念にとらわれ、徹底的に手洗いや
入浴を繰り返し、一度身に着けた衣類は
全て洗う、自分が歩いた場所をアルコールで
拭き取るなど、次々に強迫行為は工夫され、
儀式化されていきます。

 

この一連の流れは不潔恐怖、洗浄強迫と同様です。
多くの場合は、手や体がきれいに洗われたか
どうかの確認行為がつきまとい、家族にも
確認を求めるようになり洗浄行為を手伝わせる
ようになります。

 

疫病恐怖にも自分が感染するのが嫌と
他人に感染を広げるのが嫌の2種類が存在し
どちらか見分ける事が非常に大事になります。

疫病恐怖で悩んだ36歳村井さん(男性)

高校2年生の頃にエイズが問題になりました。
血液を見るだけで怖くなり感染したらどうしよう。
と思うようになります。

 

大学生になる頃にもなると、血液への恐怖だったのが
赤いもの全体の恐怖へ変わります。
友人が食べてるスパゲティのミートソースが
飛んでくるとパニックになる事も。

 

その内、赤いものを触った手が汚染されていくような
感覚になります。その手でカバン、上着、靴下、ズボンを
触れるとカバン、上着、靴下、ズボンから汚染が
広がる気がするようになりました。

 

感染を食い止める為に赤いものを触れたり、
触れたと思われる手を反射的に洗うようになったり
その手で触れた物を洗うようになります。

 

それから、大学の授業に遅れるようになり、
欠席が増えたりします。

 

結婚してからは、自分の嫌な事を子供や妻に
押し付け強要する事になります。

 

そんな時に、ネットで偶然見たブログで
強迫性神経症(OCD)の事を知り、自分の
病気がどんなものなのかを知り、
克服出来るかもしれないと思うようになります。

 

専門医を訪ねると、ERPを進められ、
治療を始めます。その方法は、バンソウコウに
誰かの血が塗られており、それを顔にはって
一日を過ごすという練習をしています。

 

すると、赤いものへの恐怖がどんどん
薄れています。